真核生物のmRNAの転写において、ターミネーターシグナルはRNAポリメラーゼIIに付随するタンパク質因子によって認識され、終了プロセスの引き金となる。 ポリAシグナルがmRNAに転写されると、RNAポリメラーゼIIのカルボキシル末端ドメインから切断・ポリアデニル化特異性因子(CPSF)および切断刺激因子(CstF)というタンパク質がポリAシグナルに移行する。 この2つの因子は、転写物を切断するために他のタンパク質をその場所に集め、転写複合体からmRNAを解放し、ポリアデニレーションとして知られるプロセスでmRNAの3’末端に約200のA-リピートの文字列を付加させる。 これらの処理の間、RNAポリメラーゼは数百から数千塩基の間、転写を続け、最終的には不明なメカニズムによってDNAおよび下流の転写物から解離する。この事象については、魚雷モデルとアロステリックモデルとして知られている二つの基本モデルが存在する。

Torpedo modelEdit

mRNAが完成し、ポリAシグナル配列で切断された後、残った(残留)RNA鎖はDNAテンプレートとRNAポリメラーゼIIユニットに結合したまま、転写が継続される。 この切断の後、いわゆるエキソヌクレアーゼが残留RNA鎖に結合し、結合したRNAポリメラーゼIIに向かって移動しながら、転写されたばかりのヌクレオチドを一つずつ除去する(RNAの「分解」とも呼ばれている)。 このエキソヌクレアーゼが、ヒトではXRN2(5′-3’エキソリボヌクレアーゼ2)である。 このモデルでは、XRN2がキャップされていない残留RNAを5’から3’へと分解し、RNAポリメラーゼIIユニットに到達するまで進むと提唱している。

Rho依存性終結と同様に、XRN2はRNAポリメラーゼIIをDNA鋳型から押し出すか、RNAポリメラーゼから鋳型を引き離すことによって、RNAポリメラーゼIIの解離を誘発する。

転写されたmRNAをエキソヌクレアーゼによる分解から守るために、5’キャップが鎖に付加される。 これは、mRNAの先頭に付加された修飾グアニンで、エキソヌクレアーゼがRNA鎖に結合して分解するのを防ぐものである。 アロステリックモデル編集

アロステリックモデルとは、RNAポリメラーゼユニットが関連タンパク質に結合したり、その一部を失ったりして構造変化し、シグナル後にDNA鎖から離れることで終結する、というものである。 これはRNAポリメラーゼIIユニットがターミネーターシグナルとして働くポリAシグナル配列を転写した後に起こるであろう。

RNA ポリメラーゼは通常、DNAを一本鎖のmRNAに効率的に転写することができる。 しかし、DNA鋳型上のポリAシグナルを転写する際に、RNAポリメラーゼはカルボキシル末端ドメインから関連タンパク質を失うことでコンフォメーションシフトが引き起こされる。 この構造変化によって、RNAポリメラーゼの処理能力は低下し、酵素はDNA-RNA基質から解離しやすくなる。 この場合、終結はmRNAの分解によってではなく、RNAポリメラーゼの伸長効率を制限することによって行われ、ポリメラーゼが解離して転写の現在のサイクルを終了する可能性が高くなる

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